2015.06.08
AKB48の「しっぽ」は伸びたのか?
週末に、AKB48の総選挙が行われました。
「おいおい、月曜日から冗談はやめてくれ。」という声が聞こえてきそうですが、経営者にとっては面白い話ですから、最後までお付き合いください。
まずは、第1回から今回の第7回までの投票結果をグラフにしたので見てください。長いグラフなので、90度横に倒してあります。順位と得票数のグラフです。
結果をご覧になった感想はいかがですか? 「うわっ!どんどん成長している!」と思いましたか?
残念ながら、注目すべきはそこではありません。注目すべきは、60位とか、70位とか、80位です。
じーっと見ていると、あることに気付きます。そう、「下位だけど、意外と票を稼いでいる!!」ということです。
今回の第7回の場合、1位のメンバーの得票数は194,049票、ギリギリ80位の得票数は13,116票です。圏外ギリギリ滑り込みの、会場内ビリのメンバーが、1万票を超えているのです。ちなみに、67位から80位の得票数を足し合わせると、1位の得票数とほぼ同数になります。
これまで、名前も知らない、注目もされない、と誤解されていた下位アイドルも、かき集めると、トップアイドルに匹敵する、無視できない凄い力を発揮する、という現象が確認できるのです。
この現象に最初に気付いた人は、AKB48関係者ではなく、クリス・アンダーソンという人ですが、この現象を、「ロングテール(長いしっぽ)」と名付けました。
今日のタイトルのAKB48の「しっぽ」は伸びたのか? については、「まだ伸びている」ということになります。メンバーを加えれば加えるほど、しっぽが伸びて、儲かるのです。まるで、通販大手のアマゾンが、際限なく商品を取り揃えていくかのようです。
最初から狙ってやったのか?
経営者の皆さんとすれば、次に気になるのは、このロングテール現象は最初から意図されたものだったのかという話題だと思いますが、おそらく答えは、ノー、だと思います。
AKB48は今までのアイドルのコンセプトをガラッと変えて、「身近に会いに行ける」「成長過程に参加できる」という、真逆のものに変えましたが、出発時点ではこれだけだったのではないでしょうか。最初の時点で、下位アイドルも稼げるという現象は認識していなかったように思います。
しかし、一回目の選挙を機に、ロングテール現象を知覚し、これを戦略として取り入れた行動に出たのではないでしょうか。その行動が「メンバーをどんどん増やす」というものです。その結果、後の大躍進は、ご存じの通りです。
こういった、事後的に知覚していく戦略形成プロセスを、「意図せざる戦略」とか「学習(創発)アプローチ」なんて言い方をします。
それをそれとして認識する力が必要
ところで、AKBメンバーの座右の銘に「努力は必ず報われる」というのがあるようですが、経営コンサルタントとしては、もう一言加えたいことがあります。
それは、「正しい方向への努力」です。方向性を間違えたらおしまいです。
AKBのように、偶発的に起きたチャンスをものにするには、それを知覚する力が必要です。今後の事業展開について、貪欲に情報を集め、常に戦略思考力を強化していきたいものです。
「おいおい、月曜日から冗談はやめてくれ。」という声が聞こえてきそうですが、経営者にとっては面白い話ですから、最後までお付き合いください。
まずは、第1回から今回の第7回までの投票結果をグラフにしたので見てください。長いグラフなので、90度横に倒してあります。順位と得票数のグラフです。
結果をご覧になった感想はいかがですか? 「うわっ!どんどん成長している!」と思いましたか?
残念ながら、注目すべきはそこではありません。注目すべきは、60位とか、70位とか、80位です。
じーっと見ていると、あることに気付きます。そう、「下位だけど、意外と票を稼いでいる!!」ということです。
今回の第7回の場合、1位のメンバーの得票数は194,049票、ギリギリ80位の得票数は13,116票です。圏外ギリギリ滑り込みの、会場内ビリのメンバーが、1万票を超えているのです。ちなみに、67位から80位の得票数を足し合わせると、1位の得票数とほぼ同数になります。
これまで、名前も知らない、注目もされない、と誤解されていた下位アイドルも、かき集めると、トップアイドルに匹敵する、無視できない凄い力を発揮する、という現象が確認できるのです。
この現象に最初に気付いた人は、AKB48関係者ではなく、クリス・アンダーソンという人ですが、この現象を、「ロングテール(長いしっぽ)」と名付けました。
今日のタイトルのAKB48の「しっぽ」は伸びたのか? については、「まだ伸びている」ということになります。メンバーを加えれば加えるほど、しっぽが伸びて、儲かるのです。まるで、通販大手のアマゾンが、際限なく商品を取り揃えていくかのようです。
最初から狙ってやったのか?
経営者の皆さんとすれば、次に気になるのは、このロングテール現象は最初から意図されたものだったのかという話題だと思いますが、おそらく答えは、ノー、だと思います。
AKB48は今までのアイドルのコンセプトをガラッと変えて、「身近に会いに行ける」「成長過程に参加できる」という、真逆のものに変えましたが、出発時点ではこれだけだったのではないでしょうか。最初の時点で、下位アイドルも稼げるという現象は認識していなかったように思います。
しかし、一回目の選挙を機に、ロングテール現象を知覚し、これを戦略として取り入れた行動に出たのではないでしょうか。その行動が「メンバーをどんどん増やす」というものです。その結果、後の大躍進は、ご存じの通りです。
こういった、事後的に知覚していく戦略形成プロセスを、「意図せざる戦略」とか「学習(創発)アプローチ」なんて言い方をします。
それをそれとして認識する力が必要
ところで、AKBメンバーの座右の銘に「努力は必ず報われる」というのがあるようですが、経営コンサルタントとしては、もう一言加えたいことがあります。
それは、「正しい方向への努力」です。方向性を間違えたらおしまいです。
AKBのように、偶発的に起きたチャンスをものにするには、それを知覚する力が必要です。今後の事業展開について、貪欲に情報を集め、常に戦略思考力を強化していきたいものです。
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